これまでフロントエンド部分はMonacaを使ってスマホアプリを開発してきた。基本的にHTML(+CSS)とJavaScriptなので開発の敷居が低いからだ。それに同じソースでiOSもAndroidも動くのが魅力だった。
しかし、最近、LINE公式アカウントアプリ(いわゆるLINEボット)を作り出して考えが変わった。以前、スマホが現れてPCの不便さを痛感したときに感じたのと同じような衝撃を感じる。メールを見るのにいちいちPCを起動して、メールソフトを立ち上げて・・・・。それに比べてスマホは常に立ち上がっているので、アプリを起動するだけでメールを見ることができる。スマホを「起動する」手間が不要なわけだ。
以前のPCは起動に数分を要した。さすがに今はそこまでかからないにしても、メールを開くまでそこそこ時間はかかる。メールを読むだけのためにそんな面倒なことをする人なんてそのうちいなくなるだろう・・・。そう思っていたら本当にいなくなった。情報系の学生にも拘わらずPCを持っていない人がいるくらいだから。
LINEはたいていの人がスマホに入れているうえ、常に起動している(というわけではないが、いつでも使える状態になっている)ので、メールよりも便利。というか今はメールなんてほとんど使われなくなってきている。ビジネスとかそういったオフィシャルな場合を除くと。ふつうにコミュニケーションする場合はほとんどがLINEやFacebookやTwitterなどのSNSだろう。
LINE公式アカウントはそのLINEをプラットホームにしてアプリを開発できる環境を提供している。 LINEさえあればすべて事足りるというわけだ。加えてスマホアプリを開発するにはそれなりのユーザインターフェースを作り込む必要があるが、LINEだとこれが不要になる。使い慣れたLINEでメッセージのやり取りをするだけだから。必要ならWebサイトへ飛ばせばいい。リッチメニューやボタン、カルーセルなど駆使すれば使い勝手もいい。スマホだから音声入力だって(やろうと思えば)できる。
こんな便利なものを使わない手はないと考え、今はフロントエンドはLINEと決め込んだ。Monacaは、デバッガで使っている分にはそこそこ使えるが、ビルドするとなるといろいろ問題が生じる。配布だってどうやればいいのか・・・。その点LINE公式アカウントアプリだと何も心配はいらない。
そして、バックエンドに集中できる。そのバックエンドだが、最近、GAS(Google Apps Script)に走っていたが、Herokuにも手を出し始めた。GASの魅力はその手軽さ。加えて、スプレッドシートやGoogleカレンダーなどと手軽に連携できるので実用的なアプリが簡単に作れる。ただ、言語がJavaScript限定というのが物足らない。自然言語処理やAIをやるにはPythonは必須。そうなるとバックエンドをPythonでやりたくなる。そこで登場するのがHeroku。最初は敷居が高く思えたが、使っていくうちにその便利さや豊富な機能に惹かれていく(Kindleの「Python Flask 人工知能API 実践入門」は役に立った。まさかGoogle ColaboratoryをHeroku CLI代わりに利用できるとは・・・。ただ、残念ながら今はもう動かない。heroku login でIP address mismatchというエラーが出る。いまは観念してWindows版Heroku CLIを使っている)。
昨今のソフトウェア開発環境は「知っているか知らないか」で得られる成果が大きく違ってくる。ビルディングブロックがそこら中に「ただ」で転がっていて、それらを集めて組み合わせれば何でもできてしまう。知らないことで損をする。 「デジタルデバイド」ならぬ「ナレッジデバイド」だ。これだけの開発環境が整っているのだからあとはアイデア勝負。貪欲に知識を広げたい。
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